カンチャナブリへ(タイ乗り鉄旅その1)
バンコクに留学中の娘がいる機会に!とタイ旅行。とはいえ、いつもいつも娘が僕に付き合ってもらえるわけでなく、留学中だし授業は普通にある。合間を見て、一緒に出掛けたり食べに行ったりしているだけだ。
そんな滞在中の娘なしの3日間。クウェー川鉄橋とタムクラセー桟道橋へと出かけることに。その時に、とても参考になり、PDFをダウンロードして、常にチェックしていたのが、こちらのサイトのタイ鉄道時刻表。「2023年1月19日現在」となっているけど、2月8日、9日の運行もこのままでした。
旅の起点は、バンコク市内チャオプラヤー川の西にあるトンブリ駅。バイタクでトンブリまで行き、そこで切符を購入。カンチャナブリまでは100バーツ(400円)。自由席。そういえば、切符にタイ語がない。これは外国人向けのチケットなのか?
駅に着いた出発40分前には、すでにタイ人以外の観光客で、小さなトンブリ駅は溢れていました。そして向こうには、僕らが乗る機関車と緑と赤の客車の姿が。
それよりも!前回の10月に来た時にはなかったものが、駅にあるでないの!
こんなモニターが設置されていました。タイ国鉄が姿を変えようとしています。都会なのに田舎の佇まいだったトンブリ駅も、都会の駅になろうとしている。古い物に新しい物をくっ付けて対応という、旧市街地の電線や電信柱的な、タイらしい対処法。
客車は、古き昭和の佇まいがする向かい合わせでリクライニングのない客車タイプ。日本だと12系客車がこんな感じではなかったかと記憶しています。一番うしろの客車に乗ろうとしたんだけど、その車両はお坊様用という但し書きがありました。お坊様は他者と触れ合わないように、別で扱われているようです。
というわけで、後ろから2両目の客車の後ろから2つ目の向い合せ席。荷物はデイパック一つ。出張パターンと同じ。二泊三日くらいなら、この程度で十分。
牽引は、4048機関車。巨大エンジンの塊のような機関車。僕と同じように、機関車やら客車を嬉しそうに撮る西洋人。世界どこへ行っても、鉄ちゃんは存在します。お互いにニヤニヤしながら長編成の客車を眺めておりました。
そんな彼(左に写ってるオレンジシャツ)も、これは撮ってなかった。腕木式信号機で、日本ではほぼ絶滅してしまっている信号機です。前回、動くところを撮り忘れるという痛恨のミスをしたので、今回はなんとしても撮りたいと思っていたところ。
ちなみに、この写真を撮るのに、せっかく取った座席を開けなくてはならず、そばに居た高齢の女性に荷物の番をお願いしました。当然、タイ語は話せないので、「私は少し席を外します。その間だけ荷物を見ていてくれませんか?」を訳したGoogle翻訳の画面を見せると、OKマークをしてくれたので、トイレと同時にササッと撮影して席に戻り、お礼をしました。
そして、隣に停まっていた青い近郊型車両が出発した後、念願の腕木式信号機が動くところを撮ることができました。
念願がかなって、思わず「いやっほぉ〜」と声が出てしまった。
車内は扇風機が全力で回っていますが、そんなの全然効かないくらいの暑さ(30℃を超えていました)。
扇風機だけでは全然涼しくないので、窓も全開。中には、半分くらい閉まっているものもありるけど、グイッと押し込んでやると全開にできます。嬉しがって、体を乗り出して撮影。さすがに全力疾走中にここまで出すことは難しいので、停車中ならではの撮影。
そして、いよいよ出発!
定刻の13:55ピッタリ(55分00秒から59秒の間に)に出発。意外と意外だけど、タイ鉄道は時間に正確に出発する。出発のアナウンスは、僕が切符を買ったお姉さんの声。鐘が鳴って出発。そして、ホームを過ぎると、今度はポイントを渡って本線へ。そして、家々の軒先をかすめながら次の駅へ。動画の2:04で並んでいる男子生徒たちが、みんなで手を振ってくれたのに、それが撮れてなかったのが残念。
窓が空いているせいか、かなり大きな走行音。以前にも書いたけど、意外と揺れない。そこまで速度が出てないからかもしれないけど、保線状態が意外といいように思います。枕木は日本でも幹線で見るようなガッチリした規格。
いろんな駅があります。無人駅というのは、ほどんど無かったように思います。そして、たいていの駅には、花がある。常夏なので、いつでも花が咲いているのかもしれませんが、しかし、花があるというのは、いい風景。
ちょっと大き目のNong Pla Duk Junction駅くらいから、物売りの人たちが乗り込んできて、盛んにセールスかけてきます。ちょっと覗き込むと、果物やらジュースやら甘い物系やら、人によってそれぞれ。僕は果物売りのおばあちゃんに目をつけられ「買え買え」とゴリゴリ。ちなみに、値段を聞いてみると20バーツ(80円)と。この量で80円なら安くないか?と思って買ってみた。味はまあまあ。日本のイチゴが異様に甘いことを差し引いても、僕が子どもの頃食べていたいちごは、たぶん、こんな味だったんじゃないか?という甘さのイチゴでした。あ、もしかしたら40バーツだったかも。それでも160円。日本のいちごは高いね。
オールド鉄道ファンなら、これが何かは、ご存知でしょう。タブレット交換のための輪っかを引っ掛けるところです。単線区間の命綱。
なんと、予定時刻の16:24ちょうどにカンチャナブリに到着しました。出発時刻だけじゃなくて、到着時刻も時刻表通り!日本じゃ当たり前だけど、なかなか世界じゃ当たり前じゃないのに、タイでも実現していました!
先にいうと、帰りは対向列車の遅れが原因で、14分遅れでした。
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