サメット島へ

タイでの滞在中に、バンコクからわりと気軽に行けて、かつ海がキレイと聞いたサメット島へ娘と出掛けてみた。

「サメット島へ行く」とバンコクの人に言うと「子どもの頃に行ったっきり…」「サメット島?わざわざ?」というニュアンスの返事。神戸の人にとっての淡路島、京都の人にとっての天橋立のような感覚かな?どうやら、近くてお手軽な場所すぎて、敢えて行くところではないような雰囲気。とはいえ、皆一様に「キレイ」「悪くない」とも言う。これは行かねば!

サメット島へ行くまで

日本人街のあるバンコク東エリアと違って、バンコク旧市街地側から、サメット島へ向かうバスの出発地、エカマイ・バスターミナルへ行くのもなかなかの道のり。MRTの駅ラチャテウィ(Ratchathewi)までバイタク。そこから黄緑ラインでエカマイ(Ekkamai)へ。

サメット島へ向かうバスのチケットは、白地に青帯のカウンターの「5」。サメット島へのフェリー乗り場「バーンペー」や「サメット」の文字が見える。で、そこへ行くと

「今日のチケットは売り切れ。明日の9時ね」

と言われる。10:50ですでに売り切れ。もう一つ、サメットと見える別のカウンターも、すでに販売員がいない。ちょっと!話が違うやん!超人気スポットやん!こりゃ、行っても人で一杯かな?と。

こうなったら意地でも行くか?ん〜Grabだと2200バーツ、8800円か。2人で割ったら、大した金額でもないな…(すでに頭がオカシクなってる)。とりあえず、途中のパタヤ方面までバスで行って、そこからタクシーに乗るか?と思いつき、とりあえず近くの町へ行くバスのカウンターを覗く。

すると「サメット?あっちあっち!」と促される。それは、さっき販売員の居なかった「12」番カウンター。

おばちゃん居るやん!タイ留学中の娘は「どうせご飯食べたりしてたんとちゃう?」と。そういうタイの仕事っぷりがまだ理解できてなかった僕は、「居ない」=「終わり」と理解してしまってました。

こっちのカウンターは、小型バスでのバンペー波止場行き。この際、バスの大きさはどうでもいい。行ければいい!

「次の出発は12:30!5番乗り場!2人で400バーツね!」とパパッと発券される。2時間ほどバスターミナルで待つことになる。エカマイバスターミナルはわりと日本人街に近い。さっきエカマイ駅からバスターミナルまでの間に、日本式のカレーとラーメンを売る店があったので、そっちで時間をつぶすことに。

店には、僕らよりも先に入っていた日本人の中年男性客2人だけ。この日本人客の一人がまぁ、なんといいますか…下衆というか下品で態度もあんまりよろしいと言えず…。とはいえ、僕がいろいろ感じたところで、彼らが変わるわけでもない。なにがあろうと知ったこっちゃない。

乗り場にやってきた。小型バスとはいえ、どのくらいのサイズ?あっちのマイクロバス?こっちの小型バン?どのくらいの人数乗るの?と思って待っていたら…



高校の部活で移動するサイズのバスだった。それにしても、タイではISUZUが頑張ってる。トラックやバスだけでなく普通乗用車もISUZUをよく見かける。人数は、座席数イッパイイッパイの満席。スーツケースなんかの大きな荷物を持ってる客もいたので、このバスのどこに積むのかと思ったら、通路がスーツケース置き場に。


休憩が一回あったので、バッキバキになった体を伸ばした。3時間40分くらいのバス旅。サメット島への船が出るバーンペーの港に着くと、しきりに呼び込みの声がかかる。それらはフェリー客の呼び込み。エカマイバスセンターでフェリーのチケットも購入できたんだけど、僕らはそれを買ってなかった。バーンペーの呼び込みに答えて、チケット発売テーブルへ。

デブッチョのおばちゃんが、「次のフェリーは17:30。16:30に出る高速ボートもあるよ」と言うので、高速ボートで行くことに。「帰りはいつ?バスチケットはもってる?買う?」とポンポンくる。売る気満々で英語もクリアーに聞き取れる。いや、そこが問題ではなく、お値段なんだけど、あまりの手際の見事さと商売熱心さに、仮にボラれていてもコレはコレでおもしろいネタになると思い「じゃぁ、買う」と即決。

いろいろチケットに書き込みをして、最後に「私に100バーツ♡」とウインクして無理やりチップを要求してくる。なんかもう冗談のような、年季の入った仕込み芸のような流れ。恐れ入りました。結局、帰りのバスのチケットもここで購入。帰りはサメット島を13時に出て、13時半バーンペー出発のバスに連絡ということに。


桟橋までは、れいのスクーターの横にリアカー的な枠をくっつけたようなサイドカー(?)で移動。呼び込みをしていた中学生みたいな子(もしかして小学生高学年?)が運転していた。大丈夫かいな?とも思うけど、楽チン。でも、歩いても3分の距離。

ボートの出航まで、案内の姉さんが「こっちで待っててね」といったのを「これに乗るから」と勘違いして、別の方の桟橋で待ってたら、出て行ったボートが引き返してきて、「なにやってんの!こっちよぉぉ!」と。いやはやボーットしてましたわ。
ボートへは最後に乗ったので舳先側へ。パワーボート系は波とぶつかる前の方が跳ねる。「高速ボートは激しく揺れるので、船に強くないと酔う」と書かれていたわりには、思ったほど揺れなかった。舳先に乗ったのもあって、波の様子が見えるので「次、来るぞぉぉ」が読めたのもラッキー。あっという間の乗船。

皆さんは後ろへ。僕と娘は前へ。

島に着いてから
港からはソンテウ(トラックの荷台に乗る、乗合タクシー)。これも初めての乗車。いったいいくら払うんやろ?と思っていたら20バーツ。
2つ目の停車で「ラリッサはあっちな」と指さされて、降ろされる。

ホテルにチェックインしたら、さっそくメインビーチへ。白い砂浜!ペットボトルやゴミがない!キレイ!人もそんなに多くない(というか少ない)!


晩ご飯の後、またまたビーチへ。海パン買ったり、浮き輪買ったり。


翌朝もホテルのプライベートビーチで日の出を見た後、朝ごはんを食べに行き、そのままメインビーチへ。

途中で通ったソンテウの乗り場(溜まり場)でなにやら声を掛けられる。島内のビーチへ行く案内と一周ツアーと半周ツアーの呼び込み。とりあえず説明を聞いて、その場は「ちょっとプラン考える」と立ち去る。

午前中は、ビーチでチャプチャプ浮かんで過ごしたんだけど、さすがにタイの昼は暑い。前の晩、ロティーの屋台のでおばちゃんから「西海岸のビーチが良いのよ!是非行ってみて」と言われていたのも思い出した。西海岸といえば夕日だろ。ということは日の入りちょっと前くらいに行くのが理想。今はまだまだ時間があるし…

で、思い出したのが島内ツアー。半周で1000バーツ(4000円)1時間半。一周で2000バーツ。上の写真の一番下にある。

この溜まり場は、目の前にある僕らが泊まったバンガローとは別のホテルのロビーと隣接していて、そのホテルのガードマンがやたらと声を掛けて来てたんだけど、彼にこの「1000」を指差して「これ!頼みます」というと「おおおお!」と大喜び。

で、
「えっと、次のドライバーの順番は…おおお!お前か!ラッキーやな!」
と若いドライバーを指差す。日本の駅前タクシーと一緒で順番があるみたい。で、たまたま、その若いお兄さんのソンテウに。娘と2人貸し切りで島内半周ツアーに。


ビーチにブランコ。この先、たいていのビーチにブランコがあった。レフ板無しでも顔に光があたるのは、砂に光が反射しているから。白い砂浜ならでは。




似たような風景のビーチが多いので、どれがどのビーチがわからなくなるのが難点。逆にいうと、混んできたら他へ移れば全然問題なく過ごせるということ。実は、半周ツアーの一つを除いては、ほぼ横につながっているビーチだった。一つ一つなら歩いてでも移動できる。まとめてロケハンしようと思うと、ツアーの方がいい。

娘の写真を撮っていたら、「終わった?次はオレ撮る?」と声を掛けてきたおじさん。聞くとイタリア人。「女性がいるのに、声を掛けないなんて失礼じゃないですか」と言ったイタリア人がいたが、まさにそのとおりのイタリア人。

僕が話せる、ほんのちょっとだけのイタリア語の中から、
「Di dove sei ?(どこの街から?)」
と聞いてみたら
「Venezia(ベネッツィア)」
と答えたので、あんな街に住んでる人なんてほとんど居ないから、ほんまかいな?と思って、
「Mestre?(対岸の人口の多い街)Padova?(30kmくらい離れた街)」
と聞いたら
「Padova!Do you Know?」
と。
昔々、パドヴァに2泊したことがあったと伝えると、えらい喜んでくれました。
「こっちは娘で」と言うと、
「オレも娘と一緒」と指差す。
で、
「なになに?」
と彼の娘ちゃんも合流して、なんやかんやと立ち話。
ビーチ1箇所につき、15分から20分の停車で、次々とビーチを回ってくれたんだけど、いろいろ話していると、ちょっと遅刻。それでもニコニコとドライバー君は待ってくれてる。
「OK?」
「Yeah!Let's go!」
で出発。





最後のマーメイドのいるビーチは、メインビーチのすぐ隣だった。

帰ってきて、溜まり場で集合写真。左が声を掛けてきたガードマン。右がニコニコドライバー君。

振り返って考えてみたら、港からホテルは一人20バーツの相乗り。ギュウギュウで8人乗せても160バーツ。それが一日に数便程度。他のソンテウと客の取り合いで、なかなかギュウギュウにならない。それが、1時間半ちょいで1000バーツ!そりゃニコニコになるわ。

サメット島は観光地なので、食べ物も雑貨も少しお値段は高めだけど、バンコク市内なら100バーツあれば一日暮らせる。彼が一人暮らしなら10日過ごせる。彼女がいたり子どもがいるかもしれないけど、とりあえず1000バーツあれば、2、3日は仕事しなくていい!実際、この翌日、彼の「44」のソンテウを見ることはなかった。「43」も「45」も走ってたけど「44」は見かけなかった。

ちなみに、サメット島には信号機がなかった(と思う)。タクシーもない。だから、交通手段は、ソンテウかバイクだけ。そのバイクは免許がいらないみたいなので、中学生くらいの子どもも運転してる。中には小学生高学年っぽい子も運転していた。ヘルメットは誰も被ってない(いわんやマスクなんて誰もしてない)。みんなノロノロ運転。なんせ島内のあっちこっちに減速用のバンプ(地面の盛り上がり)があるから、スピードを上げようモンなら、バンプからジャンプ!山道が多いので、そんなところでジャンプすると…だからみんなノロノロ。急ぐことなんてナンもないのが、リゾート地のいいところ。

サメット島からの帰り

帰りは、行きと逆。

サメット島の港から高速ボートに乗る。今度は早めに乗り込み、エンジン寄りの後ろの座席へ。

このボート、帰りはまったく跳ねなかった。行きは、舳先が波に当たる時にけっこう跳ねたのに。で、考えた。もちろん波の状態にもよるだろうけど、行きはみんなが後ろに乗っていて、軽い僕ら2人だけが前だった。帰りは、デカイ欧米人が前にたくさん乗っていて、後ろは僕らと子どもだけだった。帰りは、前が重たかったのだ。跳ねる前に舳先が沈んでいたので、波を突っ切って走っていたのかもしれない。


帰りのバスも似たような大きさのバス。でも、帰りは座席の半分くらいの客数だった。このバスも、カンチャナブリ往復のバスと一緒で、途中で降りる客も乗っている。だからちょくちょく寄り道をする。また、寄り道?かと思ったら、給油だったりする。どこかに請求するのか、しきりにメーターの写真を撮るドライバー。おもろい。

13:35にバーンペーを出発して、エカマイバスターミナルに戻ってきたのは、17:10。車内はエアコンがキンキンに効いていて、だいぶん涼しい。一枚、上に引っ掛けたほうが良い。帰りの渋滞に巻き込まれたので、余分に時間がかかっているかと思いきや、行きとほぼ同じ3時間40分。

サメット島は、やろうと思えば、バンコクから日帰りでも可能だけど、できれば何日か続けて滞在すると楽しいと思う。

 





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