鹿児島ツアーへ




2022年12月16日から18日の間、鹿児島市鹿屋市での講演(この講演)と、鹿児島市役所での講演(この講演)で鹿児島県を訪れました。

鹿屋市での講演は、今年一番お世話になっている講演エージェントの仲介だったのですが、そこの担当さんが、僕が鉄道マニアであり、旅行好きというのを覚えていてくれていたので、「鹿児島のそれも大隅半島での講演なので、『さんふらわあ』で行くというのはどうでしょうか?」と、ほとんど旅行会社の営業のような提案がありました(実は、横で電話を聞いていた社長さんが、「山田さんなら、さんふらわあ、が良いんじゃない?」とススメて下さったそうです)。京都からだと、鹿児島へ行くのは、たいてい飛行機になります。途中に経由地でもあれば九州新幹線になりますが、船で行くというのは、かなり限られた条件になると思います。これは千載一遇の好機!と感じて、「よろこんで!」とどこかの居酒屋のような返事で、リクエストしました。

そういえば、船で泊まったことがあるのは、1994年にストックホルムからヘルシンキへ行くのに乗った「シリアライン」以来のこと。

あの日は、前日からの大嵐でバルト海は大荒れ。しかも、僕が乗るはずの船はストックホルムに到着していないとの情報を、桟橋で知ることに。なにが起こっているのかわからず、とにかく出港まで待つようにとの支持で待つ。3時間から6時間後には出港できると途中連絡(ずいぶん、幅の広い待ち時間)。船内のレストランは食べ放題になるとの情報も。遅れたかわりのサービスだと思って、ワクワク乗船。だけど、船内はガラ空き。ホールでのエンターテイメントも、バーも営業してない。しばらくはストックホルムの湾内で穏やかな航行だったけど、バルト海に出ると、凄まじい揺れ。船内の窓からは、さっきまで海面が見えていたと思ったら、次は空が見えるというくらいの大揺れ。そんな揺れにも関わらず、なぜか僕は全然船酔いせず、ケロッとヘルシンキの港に到着したのでした。そして、港でフィンランド保健局の人からの「PTSDの症状が出ている場合には」というリーフレットを受け取り、自体の真相を知ったのでした。前日、バルト海でタリン→ストックホルムの客船エストニア号が沈没して、その遭難者の救出と捜索で遅れたということを(エストニア号遭難事故)。

船での一泊で、それも太平洋という外洋での一泊という、僕にとっては一つ間違えれば…の28年前の出来事も思い出す船旅となりました。


さんふらわあの乗り場は、大阪南港の第2ターミナル。最寄りの駅は、ニュートラムのトレードセンター前駅。でも、僕はわざわざ乗り換える距離でもなく、中央線のコスモスクエア駅から、歩いて数分の距離なのを知っていました。なぜなら、大阪マラソンの受付がこの両駅から近い、インテックス大阪であったから。大阪の人間で、あの駅間にわざわざニュートラムに乗り換えるのは、よっぽど歩くのが難しい人か、大雨の日くらいでしょう。

というわけで、コスモスクエア駅からテクテクとあるいて第1ターミナルへ。案の定、案内通りなら乗ったであろうニュートラムの車両と同時にトレードセンター前に到着。第1ターミナルで乗れるのは、別府行きのさんふらわあ。鹿児島の志布志行きのさんふらわあは、もう少し先の第2ターミナル。そこまではシャトルバスに乗って移動。大きな客船のわりには、こぢんまりとした待合建物。そこで検温やら、接種証明書の提示やらが行われ、なにやら鹿児島旅行キャンペーンのおまけももらえました。ラッキー!

手続きが終わると、乗船までは暇。せっかくなので、波止場をウロウロ。さんふらわあの写真を撮りまくりました。が、なんせ巨体。iPhoneの超広角なら撮れるけど、端っこは妙な歪みに。夕日に輝くさんふらわあ。日本海側は大荒れの天気のようでしたが、大阪はこの通りの天気でした。

17:55出港の1時間前くらいに乗船できました。客室は窓なしのスーペリア。ほぼ一番前の真ん中の部屋でした。窓なしではありますが、実は、船の場合、窓ありは左右の端の客室になり、横波を受けた時は、ものすごく揺れるんです。というわけで、窓なしであっても真ん中は、揺れが予想される時はいい部屋になります。

残念ながら、前すぎる船室のためか、船内WiFiが全然届いてなくて、4Gも届かないという電波難民でした。船の中央部では安定しているましたが。

さんふらわあタオルがおまけで付いてました。ちなみにベッド長は190センチ。長身の人の中には入りきらない人もいると思いますが、157センチの僕は余裕。エアコンも付いていて快適。ただ、エンジンによる微振動と振動音は到着まで続いていました。

シャワーも部屋に付いていました。が、せっかくなので、展望大浴場へ行きました。志布志出身のラン友さんが、「お風呂から見える大阪湾の夜景が最高!」とアドバイスくれていたので、出港前に風呂に入って好位置をキープ!と思って、ちょっと早めにお風呂へ行くと…

そこは長距離トラックの運転手と思われる常連さんでいっぱいでした。話を聞くと、トラックを船内に停めたら、すぐにお風呂に来て、開店の遅いレストランには行かず、持ち込みの弁当をササッと食べて、ササッと寝るのが流儀らしいです。とにかく寝るのが最優先だそうです。話を聞いた丸っこいヒゲのおじさんは鹿児島の人らしくて、これから帰るところだったそうです。カゴにお風呂セット一式が入っていて、全国わたり歩いて(走って?)いるのがひと目でわかりました。

というわけで、混み混みで活気のあるお風呂から出て、身体を乾かして甲板に出ると、大阪南港の夜景でした。ちょうど出港したところでした。大阪湾内は、風はかなり強かったけど穏やかな波で、船の揺れはほとんど感じないくらいでした。

レストランは18時からで、ちょっと遅めの19時に行きました。カツオのたたきが美味しくて、何度もお代わり。船内には、桃山学院教育大学の某女子チーム御一行様も同乗していて、トラック運転手とリタイア層以外の、もう一つの集団を形成しつつ、乗船者の平均年齢をググッと押し下げてくれていました。まぁ、女子大生が集まると賑やかなこと賑やかなこと。キャピキャピな船内でした。

途中、和歌山沖では「あすか2」と遭遇。なんだか、その様子は、映画「千と千尋の神隠し」で神様が大勢乗ってやってきた船のような感じでした。真っ暗な夜の海に、突如、明かりの宮殿が登場して、そりゃもう絢爛豪華な様子でした。豪華客船の旅、何度かお声はかかったのですが、未だ実現せずです。

夜の甲板は、風が強くてとても寒い!のは当たり前ですが、実は、甲板上でも温かい場所があるんです。

それは、煙突の後ろ。そこだけは、風向きにもよりますが、かなり温かい場所です。前に進んでいるので暖気は後ろに流れるわけですが、排気ガス自体は高いところから放出されています。ただ、その熱は煙突全体に伝わっていて、それが周囲の空気も温めているわけです。

この13,000トンの「さんふらわあ・さつま」の煙突後ろでも温かいくらいなので、65,000トンの戦艦大和(どんな巨体?)の煙突の周囲なんて、かなり暑かったんじゃないかと思います。

ところで、乗船時にもらったクーポン「今こそ鹿児島の旅 第3弾」3,000円分。僕のいつもの旅パターンだと、コレすら使いきれるかどうか、かなり不安。そこで、船内の売店でTシャツを購入することに。あまりにも快適すぎる船旅の記念に、さんふらわあTシャツ。しかし、船名は平仮名なのに、Tシャツのロゴは英語というのは…なぜ?

船は定刻に、志布志港に到着。だけど、着岸から下船まではけっこう時間がかかるんです。港では、鹿屋市の講演担当さんが待っているというのに、なかなか下船できず…というか、僕は朝風呂に入ったり(朝は貸し切りでした)、着岸の様子を動画で撮ったり、部屋の片付けをしたりのんびり過ごしていて、「あれ?そろそろ降りる時間かな?」とロビーに降りたところ、ちょうど下船が始まった時間で、あんまり待った感じはありませんでした。

僕があまりに軽装なので、担当さんは僕が通過しても声をかけられず…で、僕も「それらしき人」が他にいないのに気が付き、「あの、もしかして…」とお互いに声をかけることに。


講演のセッティングを終えて、講演前に昼ごはん。会場近くの「とんかつ竹亭 鹿屋本店」へ。開店直後だというのに、一階はすでに満席で二階へ。注文してから配膳されるまでの間に、二階も満席に。そして、二階から見える駐車場には、まだまだ車が到着してくるという、人気店っぷり。

ヒレカツ定食を頂きましたが、肉自体が美味しいので、ソースなしでも辛子なしでも、サクサク食が進みます。ちょびっとロースカツもいただきましたが、こちらも美味しかったです。

鹿屋市での講演は、楽しく終わり、次の講演地の鹿児島市内へと移動。鹿屋市から鹿児島市へは、Google Mapsの検索なんかだと、一度、鹿児島空港まで出て、そこから鹿児島市内へという、非現実的な行き方が一番に出てしまいます。なんぼなんでも、それは大回りで、かつ金が掛かりすぎます。ここは、乗合バスを乗り換え乗り換え、垂水の港からフェリーに乗って鴨池までフェリーに乗り、そこから市内バスで天文館を目指すか、あるいは乗合バスで桜島の西岸まで行き最後は桜島フェリーを使うのも良いなと思っていました。

直前に調べたところ「鹿児島中央駅~鹿屋間直行バス」があり、運行時刻が少し前に変更になり、ちょっと急げば講演後に間に合うというのがわかりました。

このバス、講演会場のリナシティかのや鹿屋市市民交流センター の真下にあるバスターミナルから乗れて、垂水港からはフェリーにバスごと乗り、鹿児島市に着くと、そのまま鹿児島中央駅から、その先の天文館まで乗れるという便利なバス。講演前にゆっくりできた反面、講演後がバタバタしたのは心残りだったけど、無事に15:25発の直行バスに乗れて垂水港へ。そこで出港を見届けると、鹿児島湾横断の船の旅。鹿屋市への旅は、行きも帰りも船。いい時間の流れです。

ちょうど太陽が西に傾く時間帯。灯台と夕日というこの光景。高松港から宇高連絡船に乗って、大阪へ向かう学生時代を思い出す、記憶の光景に似た感じです。

航跡が消えていくのを眺められるのは、さんふらわあのような大型船ではない楽しみ。

そして、鹿児島湾横断ということは…北側にズッと桜島を眺めながらの航行ということになります。この角度の桜島を眺めることができるというのは、なかなかないのでは?と思います。

鹿児島市の街が見えてきました。が、着岸までは甲板にいられないんです。バスに戻って着席してないといけないのでした。ギリギリまで甲板で頑張ったんですが、やっぱり無理。バスに戻った最後の客でした。バスから降りなかった人も結構いました。鴨池・垂水フェリーは、座席もゆったりしていて、うどんコーナーもあったり、のんびり過ごせそうでした。が、僕はズッと甲板で過ごしてました。

ほとんどの人が鹿児島中央駅で降りましたが、僕はその先の天文館へ。そしてホテルにチェックインした後は、一直線で「ソウル・マスターズ・カフェ」へ。入店時間には、まだBOSSは店に来てなかったけど、前回食べ損なった「ほどける黒毛和牛のシチュー」をオーダー。

食べ終わりそうな頃、BOSSが登場。「元気そうだね」と覚えてくれていたようで感激です。それまではERIさんの選曲が流れてたんですが、そこからはBOSSの選曲。しばらく、僕にあわせてか、マービン・ゲイをたくさん流してくれました。鹿児島で聴くマービン・ゲイが、これまた良いんです。一通り、マービン・ゲイを流してくれた後は、BOSS選曲が流れたんですが、これがまた!アレサ・フランクリンの「(You make me feel like)A Natural Woman」だったり(原曲を聞いたのは始めて)、Delegationの「Oh Honey」だったり、ウッズ・エンパウアの「Destiny」などハズレ無し。

翌朝、ホテルを出ると日差し!パラパラと降ってはいるけど、すぐにあがりそう!

天文館のアーケードを通り抜けて、

中央公園を通り抜けて…と思ったら、ここでドシャ降り。西郷さんの銅像までがなかなか遠いのです。

しばらく雨宿りをして、やっと西郷さんのもとへ。「また、またまた、鹿児島へ来ることができますように」とお願いしてから、講演会場の市役所へ。

東別館11階の講演会場からは、桜島が一望できる絶景でした。講演途中のペアワーク中にキレイに晴れ渡り山頂までクリアーになり、前の晩に降った雪をいただいた桜島が、一瞬見えました。




講演の後は、ゆっくりできるかと思いきや、意外と慌ただしい予定で、空港までのバスの発着時間を確認した後、バスターミナル地下の「かごっまふるさと屋台村 バスチカ」で「今こそ鹿児島の旅 第3弾」のクーポンを使い切る作戦で「メラメラ枕崎」で「カツオの掟定食」を注文。

食べ終えてバス停に上がると、ちょうど乗車時間。前回もそうでしたが、今回も最後尾の右座席になりました。で、空港に到着すると、

大雪の影響で、到着機が軒並み遅延。それにともなって、出発も遅延。大阪行きは25分の遅延。同時刻頃、東海道新幹線は三河安城駅の架線が切れて停電が起こり、4時間にわたり列車の運行が止まり、終日ダイヤが乱れていたのでした(このニュース)。東海道新幹線の遅れに比べれば、25分くらいの遅れは誤差です。同業講師の何人かが、新幹線の中で閉じ込められていました。僕もそうなる日があると思いますし、他人事ではございません。

空の上はいつものとおり平和。向こうに別の機影が見えました。珍しく、大阪行きなのにA列ではございません。この日は、1000円追加して「クラスJ」で「4K」席でした。和歌山から奈良県をかすめて大阪に向きを変えるところで、北摂から、その先の京都まで見渡せました。

6月(この時)、10月(この時)、そして今回という、今年3回目の鹿児島旅。今回も、楽しい鹿児島への旅でした。西郷さんは、次の鹿児島への機会を与えてくださるでしょうか?
 
 

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