タイでご飯

今回の2週間の滞在中、あっちこっちで食べた。タイは屋台文化があるので、基本、歩きながらパッと見えたものが美味しそうなら、その屋台で作ってもらって、奥の椅子とテーブルで食べるというスタイル。もちろんレストランにも寄った。レストランも基本、扉がない。扉がある店は、外から見えるような作りになっている。

朝は、皿に盛られたご飯に、大皿の野菜炒めや、揚げ物や、肉炒めや、卵焼きなんかを「アレとコレとソレ」と注文して乗せてもらうのが簡単。でも、渡航してすぐは、なかなか声を掛ける勇気も沸かず、隣のカオマンガイの屋台へ。

おばちゃんが、休む暇なくせっせと作り続けてる。ここはスープが美味しかった。当然、鶏ガラスープがベース。それに冬瓜が入っていて、その辺りにチャイナタウンを感じた。カオマンガイは、ソースも大切。ここのは、それも美味しくて、鶏肉もご飯も全然足りない。

屋台でよく見る風景。お母ちゃんが店で頑張ってて、お父ちゃんは後ろでダラ〜。通勤途中に買って、職場で食べるんでしょうか?それとも飲み物を買った店のテーブルで食べるんでしょうか?車を停めて、窓から注文して、窓から受け取ってという人も。よっぽど冷房から離れたくないのね?


路地に入ったところにある麺料理屋さん。これは豚肉全般が入った米麺。豚ロースやバラだけでなく、ホルモンもたっぷり。血を固めたソーセージも。ロンドンで食べたそれは、苦くてジャリジャリした感じだったけど、タイの血のソーセージはなめらかで美味しく食べられた。ここのスープがこれまた美味しくて。隣の路地にも似たような店があって、ここは朝から昼過ぎまで、隣は昼過ぎから夜までと別時間の営業。夜の店には寄れなかった。

基本、似たような屋台や店はいっぱいあるから、見かけたらその時に食べとかないと、もう二度と行けない可能性がある。偶然出会った店が美味しいこともあるし、調べて寄った店が「あれ?」なこともあるけど。


チャイナタウンをウロウロしている途中で小腹が減って寄った屋台。ここは魚団子の玉子麺。日本のおでんに入ってそうな練り物や揚げ物も。

麺の屋台は、まず麺の種類を指定する。だいたいは細麺、中細面、平麺、玉子麺という感じ。次に具を指定する。豚系、鶏系、ミックスなどなど。「血のソーセージ入れる?」「こっちの団子は?」と聞いてくれる。

ベースはどれもあっさり系。タイ料理というと、あのトムヤムクンの辛すっぱい印象だけど、基本はあっさり系。そこにスパイスを足して、自分好みにしていく感じ。もちろんトムヤム麺というような最初から辛いのもある。

最初の日曜日は、チャトゥチャック市場へ。ご飯もそこで食べる。ものすごい人がひっきりなしに出入り。ドーンと頼んでドーンと食べる。


ここは、隣の店との境目があいまい。フードコートのような雰囲気。僕らが座ったテーブルは、このお兄さんがボス。芸人さんみたいな兄さんで、隣の怒鳴ってるようなオヤジを真似てみたり、若い店員をからかったり。それを見て厨房のおばちゃん達がキャハキャハ笑って、なんだか楽しそう。

僕らの隣のテーブルは、僕らが大量に食べている間に、何回か変わった。最初の客は、欧州系の観光客夫婦。欧州系はたいてい女性が不機嫌。そして、このオバちゃんも不機嫌。「扇風機の風が気になる」だの「メニューが気に入らないだの」不満たらたら。オッチャンは「あ?そんなに悪くないやん」と関心がない感じ。バンコクでは、こういう欧州人っぽいカップルを多く見かけた。

次の客は、親子連れ。とにかくお父ちゃんがビールを飲みたかったらしい。食べ物は眉間にシワを寄せながら「ムムム」と食べていた。材料の分からない物を食べる時に、興味が勝つか?恐怖が勝つか?は、欧米人でも全然違う。アメリカ人の一部は、恐怖が勝つ。「肉とポテト以外、よー食べん」という人がけっこういる。トランプ元大統領もその一人。でも、イギリス人はなんにでもトライする人が多い気がする。結局、この親子連れは、半分くらい残して飲むだけ飲んで席を立った。


娘の通う大学の学食でランチ。茹で餃子とパッションフルーツスムージー。スイカのスムージーやシェイクも美味しいんだけど、パッションフルーツも美味しい。学食にも壁がない。猫が出入りしてるし、鳥も飛んでくる。学生以外も食べに入ってる。タイらしく、いろんなものにオープンだ。

ある日の朝ごはん。泊まったところから、駅に向かって歩くと、ローカルな屋台とレストランが山盛りのゾーン。なんせ近所に大きな市場があるから、客層も市場関係者が多い。あまりのローカル色の強さに、ヨソモンはちょっとひるむ感じ。そこで、そっちとは反対側の病院側の食堂へ。こっちは病院関係者や患者、お見舞いの人など、よそ者向け(…というほどでもないけど)。ホンマモンのよそ者向けには、病院内にもフードコートがあって、前回はそこにも寄ってみた(が、外よりも少々高い)。


で、ローカル色が少し薄まった食堂で米細麺の鶏ベースを頼んだら、朝から戦闘モードになるようなガッツリ鶏肉。モモ肉の塊が入ってるし、砂ずりもハツも入ってるし、足もそのまま入ってる。足はクタクタに煮込まれていて、骨ごとガリガリ食べられる。食べ終わるとヘトヘトになる感じ。

カンチャナブリはバンコク以上に屋台に入りやすい。こちらはバスターミナル近くの屋台。

ここは観光客も多いのか、英語のできるスタッフがいて説明してくれた。タイの屋台を食べ続けると、どうしても野菜不足になる。ところが、カンチャナブリに来ると、屋台の麺にも野菜がたくさん入っている。聞いた話だと、バンコクではほとんど野菜は作ってなくて、全部地方から運び込まれているらしい。だから、安く提供するバンコクの屋台飯には、野菜が少なめなのらしい。


こちらもカンチャナブリのバスターミナル近く。上の屋台がオープンする前の14時頃。中途半端な時間帯に、開いてる店を探すのはタイヘン。おまけに山側に入ったカンチャナブリは朝晩は涼しいけど、逆に昼はバンコク以上に暑い。汗だくで、この半分屋台のような麺料理屋へ。こういう感じで、もやしとバジルを別皿で盛ってるレストランはバンコクにもある。
この店は、キャベツとバジル。このバジルは枝からちぎって食べる。すると、口の中がスーッとして、辛いものを食べた後も、口の中がリセットされて、また食べられる。

日本では、戴き物で食べるくらいのスイーツ系。ところが、タイは甘い物も天国。僕がハマッたのは「ロティ」。小麦粉の生地を伸ばして焼いて折りたたんで…というクレープのような食べ物。


ロティの屋台は、独特の鉄板があるから、覗けばすぐにわかる。だいたいちょっとインドっぽい雰囲気の人たちが作っている。「甘いモンやろ?おやつやろ?」と舐めていたら、美味しい!脂分と糖質という魅惑の組み合わせにヤラれてしまった。食後でもペロッと食べられてしまう誘惑のスイーツ。こっこれが噂の別腹というヤツですね?と。一切れ食べたら、次々と食べてしまい、あっという間に食べきってしまうスイーツ。いつも一皿だけにしていた、自分を褒めてあげたい!ちなみに、タイへの渡航前後で体重は全然変わらずでした。ロティを2つずつ食べてたら、危なかったかもしれない。

カンチャナブリ2泊目の夜。ホテルからプラプラ歩いて見つけた大きめのレストラン。大きな駐車場もあって、観光客から地元民まで使ってそうな雰囲気。18時半だとまだ空いているから、ゆっくり注文できるから、早めに店に入ってノンビリ食事。
こっちにはChangのマーク。


こっちにはLEOのマーク。ビールの売上も多そう。

僕は、あんまりお腹が丈夫ではない。わりとよく腹を壊していた。おとなになって大分マシだけど、それでも「丈夫な胃腸」とは言えない。でも、僕はタイで腹を壊したことがない。あれほど危ない危ないと言われているけど、そういや歯磨きは水道水でしていたけど、大丈夫だった。昨年10月に渡航した時は、氷にも気を付けていた…はずが、いつの間にかテキトーな氷の入った飲み物も飲んでしまっていた。が、「あれ?そういえば、お腹は問題ないな」だった。

ということで、僕はタイでビールを飲む時は、頼めるのなら氷入りにしている。

僕が座った向こうのテーブルでは、客はいないのに、料理が次々と並べられていく。どういうこと?と思っていたら、鍋のような物がセットされ、それに合わせて客が席についた。全部揃ってからスタート!の様式もあるのね。
鍋のセットと同時に、向こうから黒半パンの兄さんが登場。

そしてカノジョと向き合って座る。「タイの男は働かない」「タイの男はなんもしない」というのはよく聞くけど、この兄さんは献身的に鍋の準備に励む。カノジョは食べるだけ。ん〜この構図はもしかして…主夫?

クウェー川橋の見える広場でホットドックとコーヒー。バンコクの「Uncle Loy」に泊まると、若旦那が毎朝コーヒーを挽いて入れてくれるので、それを頂いているんだけど、ホテルの部屋だとたいていインスタントの粉コーヒー。屋台のコーヒーは豆から入れてくれるけど、見つからない時もある。朝のコーヒーが飲みたくて、スターバックス的なカフェで購入。だいたい朝の屋台飯が20〜60バーツなのに対して、コーヒーは50〜80バーツくらいする。その金額はスムージーやシェイクと同格である。

タムクラセー桟道橋駅近くのレストラン。入り口におもちゃの車に座ったオッチャン三人衆。大丈夫か?と思ったけど、中は空いてた。



ここも少し大きめのレストラン。店の中にカフェもあって、そちらは僕好みの顔のお姉さんが一人で切り盛り。

せっかくなので、ハニーレモネードソーダを注文。ガバオライスはなにも言わずとも目玉焼き付きだった。

ひっきりなしに、テイクアウトのお客さんが出入り。中で食べていたのは、僕を含めて数名。ってことは、近くの他の店の人達かな?近所の人たちがたくさん来るってことは、正解の店だったってことか?駅の反対側には、コテコテの観光客向けのビュッフェもあるらしい。

例の海賊船のホテルに泊まった日の朝。近くにはSTARBUCKSやSUBWAYはあるんだけど、せっかくタイに来てるのでタイ飯を!とウロウロ。娘の大学の最寄りの船乗り場広場の屋台へ。


タイの滞在経験を積んで、やっとご飯におかず乗せの朝ごはんを頼むことができた。ご飯にするのか?麺にするのか?という選択肢もあったらし。でも、おかずを載せるなら、ご飯の方がいいかな?と思ったら、約1合のご飯がドンと。朝からごっつぁんです。

で、次の日も行ってみた。でも、その日は、ご飯+おかずいろいろの屋台じゃなかった。時間が遅くて、終わってしまっていたのかもしれないけど。よく見るとテントの色も違う。別の屋台だ。やっぱり屋台は一期一会。

豚肉系のスープ(緑はセロリ)とご飯。相席しかなくて、新聞読みながらのおじいさんと相席。「サワディカップ」と軽く挨拶して、食べ始める。僕が食べるのをジーッと見て、じいさんも食べる。で、気が付いた。スープが奥でご飯が手前なのだ。奥のスープを手前のご飯に少しずつ混ぜて、お茶漬け(スープ漬け?)っぽく食べられる。すると、じいさんは「それが正解や!」という満面の笑顔。あとはひたすらワシワシと食べて、じいさんに挨拶して立ち去る。あぁ、じいさんの写真撮ればよかった。

僕の周囲にもタイに行ったことがある人は何人かいる。その中の一人、アメリカに住むのポールさんに勧められたのが「PengPeng」。さすが旨いもの食べ歩いている人だけあって、美味い!とくに魚料理が美味しかった。
廊下みたいなところが店。厨房は奥にある。




中華料理っぽい味付けでした。どれを食べても外れなく美味しかった。娘の同級生3人と一緒で、女子大生4人に囲まれたおっちゃんの晩ご飯でした。ウハハ。

このPengPengからカオサン通りを通って、タマサート大学講堂で行われるRock Liveを見にみんなで移動。途中のThamnon Sao Sam Hangという通りが屋台パラダイスで、台湾の夜市みたいになっていた。




いやぁ〜ここは、屋台の数や客の数がめちゃくちゃ多かった。カオサン通りの観光客向けなのかもしれないけど、それにしてもすごかった。

サメット島での食事は、レストランがメイン。初めて入ったこの店の店員は、皆さんお疲れ気味。そんな中、一人だけ明るく愛想よく手を振る小柄な店員のレディーボーイ君。世界中、どこへ行っても、彼らは愛想が良い。

そして、店にはひと目で分かる「大麻コーナー」。近くへ行って、ゆっくり見せてもらいました。まぁ、タバコも吸わない僕が、大麻を吸う機会は、この先も無いと思う。シガー(チャーチルの咥えていたあれ)は吸う機会があれば試してみたい。できれば、キューバ産で。
店のサインは大麻草。大麻グイグイ推しの店。それっぽい植物も店内にあるし。日本ではできない経験。

タイのレストランは、壁がない店もあって、外と店内の境目が分かりにくい。どんどん道にせり出してくる店もある。だから通りがかりのイタリア人に「ボナペティート(buon appetito)」と声を掛けられたわけです。



ビーチの島に来たから、ビーチで朝ごはん。娘はこの後、目の前の海へ。僕は前日に日焼けしすぎて、これ以上焼くと危ない気がしたので、ビーチパラソルの下でゴロ寝。極楽極楽。



サメット島最後の食事は、やっぱりローカルな食堂で。ご飯とスープの組み合わせ。撮るだけ撮ったら、じいさん直伝のポジションへ。ん〜優しい。なんとかギリギリでバンコクの晩ご飯まで腹はもってくれた。

たまには、お高いレストランでも食べます。チャオプラヤー川沿いのホテルのレストラン。お値段もそこそこだけど、サービスもなかなか、そして料理はハズレなし。
チャオプラヤー川の風を受けてのビールは美味しい。昼間の暑さがあるから、SINGHAも美味しいんだと思う。日本の冬に飲んでもあんまり美味しくないかもしれない。

料理は、どれも本当に繊細な味付け。タイ料理らしくないけど、これはこれで日本のタイレストランみたいで落ち着きます。とくにトムヤムクンのすっぱ辛さは絶妙です。


ビールをSINGHAからChangに変えると、「私もChangが好きなんです」というボーイさんがお酌してくれました。

この店は、娘の留学が始まったばかりで、タイ語もまったくできず、外食も難しかった頃、英語の通じるこの店のスープとご飯に助けられたという、思い出のレストラン。ここのボーイさんは、何も語らないけど、いろいろ覚えてくれているようです。何気なく、川沿いの席が空いたら案内してくれたし(他にも客はいたのに優先的に声かけてくれました)、ビールもお酌してくれたり。加奈子の留学を見守ってくれているご近所さんです。

娘と晩ご飯に行く予定の時間まで、まだあるのに、腹ペコ。そんな時は、目の前の屋台で買って食べる。

豚と牛と鳥の串があって、一本10バーツ(40円)。焼きながら、いろいろ話をしてると、「日本から?北海道って雪降るんでしょ?良いですよね」という話に。一本だけ頼んだんだけど、もっと頼んでもよかったな。

今回のタイでの最後の食事は、前回、はじめてタイに来て食べたフェリー乗り場の横のレストランで。


また、タイの屋台に行ける日が来ますように。
2週間まったく料理をせずに、外食ばかりでした。主夫のお休みでした。
 
 

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