ティファニーのコピー

2013年というから、今から10年も前の11月22日(いい夫婦の日)にリリースされたティファニーのコピー。

「ひとりで生きていけるふたりが、
   それでも一緒にいるのが夫婦だと思う。」
(眞木準作)

不覚にも最近、このコピーの存在を知った次第。

これと似たような内容を、僕は講演で話ししていて、それが一番上のイラスト。

昭和時代、夫婦は「人」という字のように、お互いが一辺と一辺になり支えあうモデルが理想とされていた。男性は仕事、女性は家事というような、性別による役割分担で支え合うモデル。高度経済成長期は、この形のおかげで男性は長時間労働が可能だったし、PTAや自治会などを女性が担うことで、行政や教育の行き届かないところを補完することができた。

でも、今はそういう時代じゃない。ティファニーのコピーのように「ひとりで生きていける」が前提で、一人一人が「I(アイ)」字型に立つ。そのうえで「この人と一緒にいたい」「一緒だともっと楽しい」という人同士が手をつなぎ合って「M」字型につながる。

という説明をしている。

この「人」字型から「I」字へ。さらに「M」字型につながる話は、どこかで誰かがしてるかもしれないな…とは思っていたけど、ティファニーのコピーに出ていたのを知ったことで、お墨付きをもらえたし、「ほらね!」と言えるようになった気がする。


もちろん、本当は、ひとりで生きていければ良いんだけど、なかなか世の中厳しい、わかっていても実現が難しい時もある。いつも元気だとも限らない。病気の時もあればケガをする時もある。寝たきりになったり介護が必要になる時もある。失業する時だってあるし、景気の悪い時だってある。周りが好景気なのに、自分だけ金の巡りが悪い時だってある。落ち込む時もあるし、しょぼくれる時もある。家事をする気にならない時だってある。

そんな時、もたれかかれる人がいるのは、心強いし頼もしいし、ちょっとホッとできる。「ずっとこのままでも良いかな?」と思う気持ちもわからないことはない。

大事なことは、社会が基本をどう位置づけるか?だ。

「人」を基本にするか?「I」字に立つを基本にするか?これだけ共働きが増えてきていても、未だに自治会やPTAは「人」字型を基本としている。だから、誰も参加しなく(参加できなく)なるのだと思う。

令和に入って5年も経つんだし、そろそろ「I」字型を基本にして、たまに「M」の人もいる程度にしたらどうだろう?

基本一人で、たまたま、今は、なんとなく、そういえば、巡り合わせで、誰かと手をつなぎ合っているとすると、シングルペアレントのシンドさも軽くなると思うし、一人イコール寂しいという先入観や偏見も少なくなると思うし、逆に家族一緒だけど孤独していたり孤立している人も、救われるような気がします。


 

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